ー「印伝の世界 模様」ー⑥小桜(こざくら)
自然の力や四季の美しさを想う日本人の心から生まれた様式美
小桜
平安時代以降、花といえば桜を意味するようになり、現在では日本の国花にも指定されています。四季のある日本では春を愛でる気持ちも強く、桜の持つ神聖な美に喜びやあはれを感じ、模様も年代を問わず愛されています。
↓こちらは、奈良時代には存在し、奈良東大寺に所蔵されている国宝の文箱にも見られる技法「燻べ技法」で作られた、燻べの小桜模様です。
ー燻べ(ふすべ)ー
近年まで上原家を継ぐ家長「勇七」にのみ口伝で伝えられ門外不出とされた伝統の技法「燻べ技法」です。
この技法は遠く奈良時代には存在し、奈良東大寺に所蔵されている国宝の文箱にも見られる技法です。
鹿革をタイコに固定し糸を巻き付け、薬を焚いていぶした後、藁と松ヤニでいぶして仕上げます。
7〜8回燻べを終え鹿革に巻き付けた糸を取ると、その部分は白く美しい縞模様となって浮かび上がってきます。
糸で作ることのできない柄は柄をのり付けした鹿革を同じようにいぶして作ります。
「燻べ」の製品は熟練の職人が一品一品手作業で作り上げる日本唯一の革工芸品です。「燻べ技法」は非常に手間がかかり、完成まで3〜6カ月必要なため生産量も少なく(数%)、希少な商品となります。
そのため、一度在庫が無くなりますと約6ヶ月ほどお待ちいただく場合がございます。
価値ある燻べの印伝をはじめ、可愛らしい小桜模様の印伝、多数取り揃えております。
ご来店心よりお待ちしております。
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